建築雑誌2011年2月号の翻訳:アンドレーア・アルチャート氏『エンブレマタ』(1531年)/ Andrea Alciato “Emblemata” (1531)

翻訳を担当する『建築雑誌』の2月号が発行された。
特集=建築論争の所在
The Locus of Architectural Debates



で、ぼくが関係した2月号の大仕事といえば、イタリアの法学者・作家アンドレーア・アルチャート氏の代表作「エンブレマタ(エンブレム集)」の翻訳だ。
過去に日本語版も出ているけれど、新たに訳しおろしている。

翻訳を担当したエンブレムが表紙にババンと掲載され、ぼくの名前もクレジットの一部として載っている。
(そんなおそれ多くてありがたいことになっているなんて思いもせず、最初は気づかなかったけれど)

エンブレム集は、16・17世紀のヨーロッパで流行したスタイルの本だけれど、いま読んでも示唆に富んでいる。
たとえば、





外形ではなく頭脳が勝る

キツネが劇場監督の物置に忍びこみ、精巧に仕上げられた人間の頭部をみつけた。非常にエレガントなつくりであり、呼吸していないだけで、それを除けば、生きているかのようだった。その頭部を手にとってキツネは言った。「ああ、なんて見事な頭なんだろう!でも、頭脳がない!」





有害な隣人によって生じる害

急流で二つの壺が流された。一つの壺は金属製で、もう一つは陶芸家の手による粘土製のもの。金属の壺が、奔流に耐えられるように二つの壺が寄り添ってみてはどうかと、粘土製の壺に尋ねてみた。返事は次の通りだった。「あなたのアイデアはわたしにとって意味がない。そうやって接近したところで、わたしは害をこうむるだけだ。だって、波であなたがわたしにぶつかっても、あるいはわたしがあなたにぶつかっても、脆いのはわたしだから、わたしが割れるだろう。そして、あなただけが生き残ることになる。」



Alciato’s Book of Emblems (William Barker, Mark Feltham, and Jean Guthrie, with the assistance of Allan Farrell of Memorial University’s Arts Computing Centre, Department of English, Memorial University of Newfoundland)(リンク先はラテン語と英語)

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